謙也さんは世間一般的に見たらかっこええほうやと思う。
背も高いし顔もかわええよりはかっこええ部類やし目付きもキリッとしとって。
性格も、いちびりなとこもあるけど基本真面目で気さくで仲間思いで年下の面倒よくみてくれる男前。
そんな人の、こんな姿誰が想像するやろか。
自ら股を開いて卑猥な言葉を口にしながら後ろの穴にちんこはめてよがってる姿なんて。
「はぁっ、あっ、気持ちええっ、あんっ、光の、気持ちええよぉっ」
「はぁっ、ほんまエッロいっすわぁ……っ」
まあ、その快感を身体に教え込んだんは俺やけど。
それにしたってこの感度の良さ、まだこんなことするようになってそう時間は経っとらんのに、謙也さんは初体験の時からその頭角を現し初めとった。
こんな短期間で後ろにハメられてこんだけ感じられるんは天性の才能やと思う。
そして謙也さんは感受性が豊かやからか、そのいらちな性格からか身体に火がつくんも早い。
やから今日もちょっと煽ったらこの調子や。
朝、放課後の約束を取り付けた時にちらっと行為を匂わせただけ。
「今日も気持ちよおしたりますわ」
そう耳元で囁いてやったらアホアホ喚きながら頬だけでなく耳まで赤く染めて可愛い反応を見せてくれた。
そして放課後、教室に居るように伝えてそのまま小一時間ほど謙也さんを待たせた。
待つん苦手な人やけど、それでもちゃんと待っとってくれるんを俺は知っとる。
生徒はほぼほぼ下校して人気がなくなった頃、教室に迎えにいくと謙也さんはもうすっかり欲情しとった。
「いつまで待たすねんっ!」
とか怒鳴ってきたけど、真っ赤に染まった頬に潤んだ瞳、軽く上がっとる息に下がった眉で詰め寄られても可愛いと思いこそすれ迫力は皆無や。
「すんません、先生に呼ばれとりましたわ」
「う〜……っ」
不満げに声を洩らしながら謙也さんは足をもじもじと擦り合わせる。
既に謙也さんのは緩く立ち上がってもうとるらしく、ズボンの布を押し上げはじめとる。
「ほな行きましょか」
気付いとったけど指摘はせん。
謙也さんが自分から誘ってくれるようにするんが今日のこの待ちぼうけの目的やから。
謙也さんは困ったように眉を下げて視線を泳がせ、おずおずと俺の学ランの裾を掴む。
「な……もう、我慢できひん……」
「そんなん言うてもどないするんです?」
「ここで、シようや……」
「ええんですか?こんなとこで」
「やって、家まで、待てへん……」
熱い吐息を吐きながら謙也さんは懇願する。
普段は快活で男前な謙也さんが快楽を欲して俺に縋る姿が堪らない。
俺に抱き付いて耳元で必死に誘う謙也さん。
抱き付いたことで密着した股間は制服越しでも熱が伝わってくる。
「エッチやなぁ、謙也さん」
「あっ、やってぇ……っ」
「何考えてここ、こんなにしてもうたん?」
膝を股間に押し当ててぐりぐりと刺激したれば、謙也さんは身体をびくびくさせて更に股間を膨らませる。
「はぁっ、あんっ、ひかるっ、あっ」
「なぁ、教えてや……」
耳元でわざと息が掛かるように囁いてやればびくりと身体を震わせて潤んだ瞳を俺に向ける。
「光に……あっ、突っ込まれて、んっ、奥、突かれ……っ、あぅ……」
気持ち良さそうに身をよじりながら、謙也さんは自分でも腰を振って俺の膝で自身を慰め始めた。
「はぁっ、あっ、あっ、気持ちよお、して……っ、もぉ、我慢できひん、からぁ……っ」
「ほんまにエッチやな」
「あんっ、やってぇ……っ」
「ほな、ここでシましょか」
こくこくと頷く謙也さんを一旦離して準備を始める。
膝での刺激で既に身体の力が抜けてもうた謙也さんは床にへたり込んどったから、手を引いて準備したそこに案内する。
机を幾つか合わせて謙也さんの身体が乗る程度の広さの台を作って、その上に座るように促すと謙也さんは素直に従った。
上履きを脱いで机に乗っかった謙也さんはこれからどんな事をされるのか、期待に満ちた表情で俺を見詰める。
「ほな、下脱いで足開いて」
「……ん」
恥じらいながらもズボンとパンツを脱いで床に落とす。
謙也さんのちんこはもう既にカウパーで濡れてテカっとる。
相当興奮しとるみたいや。
「もうこんなにしとるんすか。待っとる間何考えてたん?」
「……ぅ」
「俺に抱かれとる時の事思い出してたん?」
「やって、光があんなこと言うから……っ」
あんなこと、とはつまり朝の一言やな。
あの一言でここまでなれるんやから大したもんや。
「気持ちええこと期待しとったんや?」
「あぅ……」
涙で潤んだ瞳をぎゅっと閉じるとポロポロと雫が零れ落ちる。
ほんま可愛え。
「ええ子で待っとってくれた謙也さんにはご褒美やらなあきませんね」
「んっ、はぁ、あっ」
「ごっつ気持ちよおしたりますわ」
「はっ、あぅ……」
つ……っと茎を指先で撫で上げると、顔を赤く染めた謙也さんは期待するように熱い視線を俺に向けた。
「ほな、謙也さん、何してほしいか言うて?」
「……っ、い、意地悪……っ」
「待たせたお詫びに謙也さんのお願い聞いたろしとるだけっすわぁ」
躊躇うように視線を泳がせとった謙也さんは、ついに羞恥より快感への期待の方が勝ったらしく、口を開いた。
「光の、ちんこ、中に入れて欲しい」
「もうちょい可愛く言ってみましょか」
「可愛く、て……っ」
ほんまは充分可愛えけど、一生懸命言葉を考えとる姿がまた可愛らしい。
俺と繋がるために卑猥な言葉を考えとるんやと思うと堪らなく興奮する。
謙也さんは暫く思案した後、顔を真っ赤にして恥じらいながら言葉を発した。
「ひ、光の、ちんちん、で俺ん中、いっぱいにしてや……っ」
目をぎゅっと閉じて絞り出した言葉はどこか幼い言い回しで、俺よりでかい身体を縮こまらせて懇願する姿はそそられるものがある。
「それ、めっちゃええ」
「えっ」
謙也さんの言動で俺の身体にも一気に火が付いて性急に行為を進める。
元々開かれとった謙也さんの脚を掴んでもっとよう見えるように開かせる。
まだ窄まっている謙也さんの後孔は僅かにひくついて何かをくわえたくて仕方なさそうや。
あの無垢だった謙也さんが、いつの間にかずいぶんエロい身体になったもんやな。
俺とのセックスを身体が覚えとる、それを教え込んだんは自分なんやと思うとつい心が踊る。
「ちゃんと責任とらな、な……謙也さん?」
「……? 光?」
「俺が気持ちよおしたろっちゅう話です」
こんな快感を教えてもうた以上、謙也さんが望む快感は俺が責任もって与えたらな。
鞄の中からこのために忍ばせとったローションを取り出して、掌に垂らして後孔に塗り込みある程度解す。
俺のものを受け入れ慣れとるそこはもう指くらいは楽に飲み込めるようになった。
指じゃ足らん言いながら、謙也さんがぐずりはじめたから、張り詰めた熱を解放したろうと俺は性急に謙也さんの後孔に自身の性器を押し当てて突っ込んだ。
「いきますよ」
「んあぁっ!はっ、ああっ!」
待ち望んどった熱を体内に感じたんが嬉しいのか、謙也さんはうっとりと目を蕩けさせる。
そのままゆっくりと律動を始めたら、蕩けた目をさらに細めて睫毛を震わせた。
ちんこには触らずに太股や脇腹を緩やかに撫でながら丹念に中を拡げるように蹂躙する。
ぴくぴくと下腹部を震わせて小さく声を漏らす謙也さんが堪らなくかわええ。
「はぁっ、あっ、んぅ……っ」
手を上半身に滑らせて胸の突起を摘まんでやると、半開きになって涎を溢す上の口とは反対にきゅうって後ろの口が締まって気持ちええ。
焦らすように徐々に徐々に、律動を激しくしていく。
「はっ、あっ、あんっ、ああっ」
潤んだ結合部から溢れるローションと体液が混じったエロい液体が謙也さんの身体の下の机をぐちゃぐちゃに濡らしとる。
「ねぇ、謙也さん気付いてます?謙也さんのお尻の下の机謙也さんのっすよ」
「っ!あっ、あんっ、やっ」
「いつも使っとる机の上で、こんなことしてるなん、誰も思わんっすよね」
「あんっ、あっ、ひかっ、ああんっ!」
ガツガツ突き上げるたびに、結合部から蜜が垂れて机に広がる。
謙也さんのちんこからもカウパーが溢れていんけいを伝い机に落ちて濡らして、ほんまエロい。
「机、謙也さんのエロい汁でぐちゃぐちゃやないですか。
謙也さん明日からこの精液まみれになった机で勉強するんや?」
「やぁんっ!言わ、んでぇっ!あっ!あぁぁっ!」
「謙也さんのえっちな匂い、染み付いてまうかもしれんで?」
「ひぅっ、あっ、やぁんっ!」
恥ずかしい事を言われて興奮しとるんか、謙也さんの中がめっちゃ絞まって気持ちええ。
謙也さんもカウパー溢れさして何も塗っとらんちんこをぬらぬらとテカらせて感じとるんがようわかる。
「はっ、あっ、あぁっ、あん」
「気持ちええ?謙也さん」
「あぁっ!あっ、気持ちええっ!光のちんちんっ、気持ち、あっ、ぁんっ!」
俺がさっき良いと言ったんが効いとるんか、謙也さんは可愛らしく俺の問いに答えてくれる。
ほんま可愛えなぁ。
「かわええこと言うてくれる謙也さんにはご褒美あげないけませんね」
「あっ、ご褒美、ほし、光っ」
「謙也さんの好きなとこ、ぎょうさん突いたげますわ」
「あんっ!あっ!ひうっ!気持ち、アッ、あんっ!」
前には一切触らずに何度も何度も謙也さんのイイところを突き上げる。
良さそうにしとるけど、ちんこへの刺激がもの足りんのか謙也さんは自分で手を股間に伸ばそうとする。
でも、それはさせへん。
触れる寸前でその手を捕まえて机に押し付けると、謙也さんは子供がむずがるようにいやいやと首をふる。
「あっ、ま、えっ、触ってぇっ!」
「だーめ、っすわ。ごっつ気持ちよぉさせたりますから」
「あっ!はぁっ!激し、アァッ!」
「激しいん好きやろ?」
「あんっ!あっ!あっ!あ、んっ!」
身体びくびくさせてあられもない声あげて、美味そうに俺のちんこ咥えてよがるこんな姿、きっと誰も知らん。
俺だけの謙也さんや。
「あっ、くるっ!きちゃうっ!や、くるぅっ!」
背を仰け反らせてびくびくと激しく身体を痙攣させる謙也さんのちんこからは、とろとろと勢いのない精液が溢れ出す。
でもまだ動きは止めない。
「アァッ!らめ、うご、いちゃ、あぁぁっ!!」
きゅんきゅん俺のを締め付けながらいつまでもイき続ける謙也さんの目は過ぎる快感で焦点が合ってないようで、視線は宙を漂ったまま。
「くっ、謙也さん、絞めすぎっ、も、出しますよ……っ」
締め付けられる快感で俺も謙也さんの中でせりあがってくる熱を吐き出した。
「あっ、光の精液、中に出とる……っ、熱いぃ……っ」
「はっ、謙也さんの中も、めっちゃ熱い……」
絞り出すように内壁が俺のに絡み付いてきて、俺も謙也さんの中に刷り込むようにゆるゆると腰を動かす。
感覚をあけてぴくんぴくん身体を震わせる謙也さん。
それに合わせて口からも断続的に小さな声が漏れる。
「あっ、はっ、あぅ……っ、まだ、出とる……」
震える先端から未だ止まらない精液が竿を伝って結合部を濡らしとる。
ひくひく震えながら精液を漏らしとったちんこが大人しくなると、荒く短かった呼吸も落ち着いてきた。
こわばって痙攣しとった謙也さんの身体も弛緩してくたりと机に身体を預けてまだ少し荒いけど深く調えるような息をしながら胸を上下させる。
謙也さんの身体が落ち着いたのを見計らって中からゆっくりと引き抜くと、謙也さんは惜しむような小さな声を漏らす。
中からは俺の精液が溢れだしてまた謙也さんの机を汚していく。
いつもベッドでするんと違うて机の上に横たわっとる謙也さんの秘部がよう見える。
まだ開いたままの後孔は収縮を繰り返しながら赤い肉壁をのぞかせて、俺の白濁した体液をとろとろと溢れさせ続けとった。
汗で張り付いた謙也さんの髪をかきあげてその額にキスを落とすと、ぼんやりと宙を漂っとった瞳を眇めて擽ったそうに笑う。
けど、物足りなそうに俺に視線を向けて身体を起こすと甘えるように腕を伸ばしてくる。
首に腕を回してキスをねだる謙也さん。
ほんまに可愛え。
「ん……、ちゅっ、んんっ」
「ちゅっ、ん……」
唇を離すと唾液が糸を引いてプツンと切れた。
謙也さんの唇は唾液で濡れて、涙で潤んだ瞳が窓から差し込む夕日の光でキラキラしとる。
その目に見とれとったら、ひかる、と唇が動いた。
声を出しすぎたのか掠れとったけど、それは確かに俺の名前で、何?と返して髪を優しく撫でながら俺の最大限の愛しさと慈しみを込めて笑った。
「好きやで……」
「俺もっすわ」
つい意地悪してまうけど、そうしてもうた後はベタベタに甘やかして大事にしたくなる。
いくつもキスを落として抱き締めて、何度でも囁く。
「謙也さん…好き」
「ん……俺も」
懐くように額を俺の肩にくっつけて謙也さんも囁く。
「好き」
甘い響きを孕んだ声で言う謙也さんがどうしようもなく愛しくて、もう一度その唇に自分のそれを重ねた。
それからどうしたかと言うと俺は謙也さんにそれはもうこっぴどく怒られた。
つい今しがたまでフワフワと蕩けた顔して好きや好きや言うとったのに、はっと我に返ったように自分の尻の下の大惨事に気付いたらしい。
言うてもシよう言うたんは謙也さんやで。
まあそう仕向けたんは俺やけど。
暫くぷんすかと怒った素振りを見せとったけど、本気で怒っとらんのはバレバレや。
けどこのまま放置すると拗ねてまいそうやから、背を向けて怒った素振りをしとる謙也さんを背中から抱き締める。
「謙也さん、ごめんなさい。怒らんといて……」
「……そ、そんな声だしても」
「ごめんなさい……」
「〜〜〜っ!も、もうあんな待たせんといてや!」
顔を真っ赤にして家寄る時間がないだのなんぼ待ったと思ってだのぶつぶつと恨み言を溢しとるけど、その中身を要約すると待たせ過ぎっちゅうことが不満らしかった。
てっきり教室でしたこととか後ろだけでイかせたことを怒っとるんやと思ったのに。
「聞いとるん?財前」
「あ、はい」
「あ、あとさっきの……」
「はい?」
「さっきの、ほんまにごっつ良すぎて……やから……」
俺の耳元に口を寄せて早口に、謙也さんは小さな声で囁いた。
「またしよな」
ゆらりと瞳の奥で揺れる情欲の色に俺は思わず喉を鳴らした。
この関係になるまでは俺かて想像せんかった謙也さんの色欲に濡れた姿。
この先もずっと、知っとるんは俺だけでええ。
〜fin〜
2015/09/27