謙也さん謙也さん、て可愛らしく呼ぶもんやから、なんや今日は甘えたやなぁなんて、甘い事を考えた。
「なんや?光」
「前に、メイド服着せたとき、素直に言うたら着てくれるって言いましたよね?」
そう問われて思い出す。
確かに言うた。
それは以前学園祭のメイド喫茶のメイク練習云々だと言いくるめられた時のことや。
あの時俺は嘘なんかつかんでも素直に言うたらなんぼでも着たるわ、とかなんとか言うた気がする。
まさかその発言をこんなことに使われるとは、夢にも思わんかった。
「なんでやねぇぇぇん!!」
今、俺の家中に俺の声がこだましとる。
けど今は俺と光以外この家には居ないから咎められる事はない。
まあ、居ない時を狙ってあんなことしようとしとるんやから当たり前や。
あんなこと、つまりはセックスなわけやけど、今日のはまた一風変わったプレイをしたいっちゅうことで、俺は嫌な予感に苛まれながらこの日を迎えた。
案の定、光は俺に着てほしいと言う服を持参してきた。
なんぼでも着たる、と言ってしまったからには今更嫌やなんて言えへん。
仕方なく俺は光が持ってきた袋から中身を取り出した。
前回がメイド服やったら、今回はセーラー服とかかな、なんて考えていた数分前の俺は、どうも考えが甘かったようや。
「光!何やねんこれ!」
「え、謙也さん知らんのですか?」
いや知っとるけども!取り出したそれは俺も目にしたことのあるものやったけど、まさかこんなもん自分が着る事になるなんて。
「スクール水着っすわ。」
「そんなんはみたらわかんねん!何で俺がこれを着なきゃあかんのや!」
「そりゃあ見たいからっすわ。謙也さん何でも着てくれるて言うたやないですか。」
「せ、せやけど、これ女子用やんか……っ」
俺が手にしている水着は、伸縮性のある紺色の布地で出来たワンピースタイプの、よくあるスクール水着や。
しかしこれは明らかに女子用に作られたもの。しかもパットなし。
「何でも着てくれるって言うたから……」
あんまりにもしょんぼりとした声で呟かれて、えらい罪悪感が襲ってくる。
確かに、何でも着るって言うたんは俺や。
「やっぱ、嫌でしたよね……」
「い、嫌って言うか、キモいやろ……?」
「え、可愛えとおもいますけど。」
わからん、光の可愛えの基準がようわからん。
けど、光はほんまに俺にこれを着てほしいみたいや。
俺かて光に喜んでもらえることならしたりたいとは思う。
こんなんで、光が喜ぶなら
「…………光が、ほんまに見たいなら……ええよ。」
「ほんまですか?」
小さく頷くと、光は嬉しそうに笑った。
「おおきに。」
光を部屋に残し、別室で水着に着替えてきた。
普段の男子用の水着と違い、上半身まである布の締め付けがキツい。
股間の圧迫感もあって、ちょっと苦しい。
変な気分になりそうな自分を叱活して、自分の部屋の扉の前で一度深呼吸をして扉を開けた。
「どや!これで満足か!?」
「……似合うてますね」
「どこがやねん!」
こんな格好似合うてもなんも嬉しないわ。
さっさとこんなもん脱いで元の格好に戻りたい。
光も一目見りゃ満足してくれるやろ、と、思った俺がアホやった。
「どないですか、感想は。」
「どないって、そらキツいっちゅう話や。」
「どの辺が?」
「どの辺て……」
こいつは何を言わせたいんや。
光の目はしっかり俺の股間に向いとる。
締め付けられたそこは布がぴったりと張り付いて、その形が浮き上がっとる。
反応していなくても、女子用に作られた薄い水着の布じゃ俺の息子を隠すには心許ないわけで。
もじもじしとったら不意に光に腕を引っ張られてベッドに引き倒された。
「ちょっ」
「謙也さんのここ、デカなったらどうなっちゃいますかね?」
「やっ、待って!光っ!」
まさか、このままセックスするんやないやろな。
そんな俺の不安は、案の定的中する。
光は布の上から俺の股間を撫で、乳首に吸い付いた。
「ひあぁぁっ!ちょ、ほんまに止めっ、あっ、んぅっ」
普通の服と違い、間にゆとりがなく身体にぴったり張り付いた布は、引っ張ればその分食い込むことになる。
乳首を捏ねられ、布越しに撫で上げられたちんこはすぐに反応を示し、圧迫感が増す。
「光…っ、無理、このままじゃ、あぁっ!」
舌で捏ねられて固くなった乳首は水着を押し上げて、その存在を主張しとる。
光はそれを、水着の上から摘んできた。
「やっ、あぁっ!そ、な…したらぁ……っ!」
「気持ちええです?」
「あっ、あかんっ、はぁ……っ」
立ち上がったちんこが水着を押し上げて、紺色の水着にじわりと黒い染みを作りはじめた。
「濡れてきてますね。やっぱ気持ちええです?」
水着の上から股間を擦られて、もどかしい布ごしの刺激とやらしい水音に煽られる。
早くこれ脱がして欲しい。水着特有の伸縮製の布は、元に戻ろうとする力でちんこを押さえ付ける。
「光っ、これ、キツい……っ、脱がせてやぁ……っ」
「せっかくやしこのまましましょうよ。」
「嘘……無理やって、ひあっ!?」
「できますって。ほら。」
布を引っ張って、光は水着の隙間から俺のちんこを露出させた。
もちろん水着は着たままやけど、一応布の圧迫感からは解放された。
光はその状態のまま後孔に指を這わせる。
「いけそうっすね。」
「ちょっ、ほんまにこのままするんか!?」
「やって、前の時は汚せへんからって途中で脱いでもうたやないですか。これなら汚れてもかまへんし。」
「そんな、あぁっ!はぁっ」
抗議をする前に、冷たいローションが垂らされてぐちゃぐちゃになった後孔に指がいれられた。
「ひゃんっ、あっ、あぁっ、ひかっ、ひあぁっ」
指で中を掻き回されて、前立腺を擦られたらもう身体はその気になってまう。
ソコがひくついて、期待しとるのが自分でわかる。はよ光のが欲しい。
「光……っ、も、はよぉ…っ」
「無理や言うてた割りにはノリノリやないっすか」
「はあっ、あっ、やって、も、欲しい…っ」
散々愛撫されて煽られた身体はもう光のが欲しいって疼いとる。
「光…っ、はよぉ…っ」
「しゃあないなぁ」
光は俺の足を自分の肩にかけて、水着の隙間から晒されたアナルに自分のをあてがってニヤリと笑った。
その表情が格好良くて背筋がゾクゾクする。
そして俺は今の状況に興奮しとる。
こんな恥ずかしい格好をしとるのに、それが堪らなく俺を興奮させる。
光がゆっくりと俺の中に入ってくる。
ローションでぐちゃぐちゃになったそこは、難なく光のを受け入れた。
「ああ…っ、光…っ、はあっ、んあぁっ」
後孔を曝け出す為に引っ張った布が尻にくいこんどるのがわかる。
そして流れたローションや先走りで水着が濡れとるのも。
「謙也さん、この辺もうぐちょぐちょやで。ほら、色変わっとる。」
「ああ…っ、言わ、んで…っ、あうっ」
光が律動を始めて、中のイイところを掠める。
感じればまた先走りが溢れて水着を濡らし、その濡れた感触が広がっていく。
「あっ、ふあぁぁっ、アンッ、あぁぁっ!」
「はっ、すご…締め付けてくるんすけど。やっぱ興奮しとるんや」
恥ずかしい、こんな格好して興奮しとる自分が恥ずかしいのに、光に恥ずかしいこと言われるたびに後ろがキュンて締まる。
「はぁっ、ああぁっ!出るっ!イッちゃうっ!」
「ええですよっ、俺も、出します」
「ひあっ、ああぁっ!イクっ!イクぅっ!!あぁぁぁぁぁっ!!」
奥まで激しく突き上げられて、俺は胸元まで精液を撒き散らして達した。
イッてる時に中で光のがビクビクってして、熱いものが広がってくのがわかった。
「はっ、はぁっ、はぁ……っ」
一度も抜かずにいたせいか、射精の余韻が長い。
「ね、謙也さん。見て。」
「…ん……?」
光に言われて、俺は自分の胸元を見た。
紺の水着に白濁色の粘ついた液体が大量にぶちまけられとる。
それはつまり俺が放った精液なわけで。
「……っ」
「水着、謙也さんのエロい体液で真っ白や。」
「や…も、堪忍……っ」
恥ずかしゅうてたまらんのに、下半身に再び熱が集まる。
「それにほら、ここも俺の精液でぐちゃぐちゃ」
「やぁんっ!あっ、動かしちゃ…っ」
光がちょっとだけ腰を動かして律動を始めたから、中に出されたのがぐちゅぐちゅ音を立てて溢れだす。
「はあぁぁっ!あか、またぁ…っ!」
立ち上がってきた俺のを今度は片手で扱きながら、光はまた俺のイイところを何度も突いてくる。
「あっ!また、またイッちゃうっ!あぁ−」
「はぁ、めっちゃエロい…可愛え、謙也さん」
快感に溺れるように、俺たちは射精を繰り返した。
「これ、どないすんねん……」
俺の身体に纏わりついたままの水着には、2人分の精液がたっぷり着いたままや。
水分が染み込んでベタベタする水着は所々白い粘液でどろどろしてる。
正直さっさと脱ぎたい。
「謙也さんヤバイっすわ。卑猥過ぎ。」
「お前が着せたんやろ!」
「とりあえず脱いでくださいよ。」
「ここでか!?ほな廊下出とってや……」
「今更裸恥ずかしがることないやろ。」
と、光は出ていく気はないようで床に座り込んだ。
このまま押し問答しとっても埒があかないから、俺は仕方なくその場で脱ぐ事にする。
肩の部分を腕から脱いで、湿った水着をずりおろしてく。
何となく見られるのが恥ずかしゅうて光に背を向けて、足を抜くために膝を曲げて屈んだ時、腹が圧迫されて中のものが動くのを感じた。
「ふあ……っ」
太股を、生暖かいものが伝い落ちていく。
それが何だか理解して、顔が一気に熱くなった。
「謙也さん?何固まっとるんすか?」
「あ、やっ、なんでも!……ん…ぁ……」
慌てて誤魔化してさっさと脱いでしまおうと続けようとしたけど、水着を下ろそうと屈めば中の精液が押し出される。
「……謙也さん」
「っ!」
あかん、これは気付かれた。
そして何か企んどる。
振り返ろうとしたが水着が引っ掛かって足が動かんかったから、一歩遅れをとった。
その一歩が、抗えない事態を招くわけで…。
俺は後ろから軽く押されて床に膝を着き、四つんばいにされた。
俺の尻は光の方に突き出す形になっとるから、つまり光にはアソコが丸見えで。
「謙也さん、わかってますよね?ここから俺の精液が溢れとるの。」
「や……ひか……みんといてぇ……」
そう言ってはみても光は目を反らしてくれないし、四つんばいになってまた腹が圧迫されて中の精液が動くのを感じたらますます恥ずかしくなる。
「せっかくやからこのまま後処理もしましょうか。」
「は!?う、嘘やろ…?」
「嘘言うてどないするんすか。下に水着もあるしここに出しちゃいましょ」
「や、ちょおっ、待ってっ、あぁんっ!」
俺の制止も虚しく光は後孔に指を突っ込んで中の精液を掻き出しはじめた。
「あ、あっ、はぁっ…んぅ……っ」
光の指が俺の中で蠢いて、エエところに当たるたびに身体が跳ねる。
「は、あぁっ、ン、ああ…っ、はぁ、あ…っ」
「謙也さんわかります?ここから俺の精液めっちゃ溢れてくるんやで?ほら、こんなに水着に溜まっとる」
お前がだしたんやないか。
そうは思うけど突っ込む気力はない。
口から漏れる恥ずかしい声と、再び昂ぶっていく熱が、一点に集中し始めて。
「はあっ、はっ、あ…っ」
ガクンと肘が折れて床に上半身を伏せた。
もう腕の力が入らなくて、腕を床に付けて尻だけ突き出した形になった。
「は、あぅ…っ、も、また…っ」
「謙也さん、またここたっとるやないっすか。」
光の空いている手が前に伸びてきて、緩く立ち上がった俺のちんこを扱いてくる。
後ろに突っ込まれた指はもう後処理っちゅう目的を外れて、俺の前立腺を弄る動きに変わっとる。
前と後ろを同時に刺激されて、快感に酔い痴れる。
「謙也さん…俺も身体熱なってきてんけど…」
もっかいええ?て耳元で囁かれて、熱っぽい声に背筋が震えた。
俺かてこんなとこで止められてたまるか。
「ええから、はよ…っ」
そう答えたら、耳元の空気が震えた。
その意味を確かめる間もなく身体を反転させられて、図らずともその訳を知る。
光は、やたら幸せそうな顔で笑っとった。
「謙也さん、正状位のが好きやろ?」
「アホ……」
そう返したものの、その通りであることはきっとバレバレや。
足に絡む水着は床に脱ぎ捨てて、俺たちは抱き合って再び熱に溺れていった。
〜fin〜
2012/06/03